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domingo, 20 de junho de 2004

中国での乳製品事情

中国の乳製品の摂取については、ある程度の覚悟がいります。

これは、おいしいとかおいしくないという問題ではありません。

ご存じのように、乳製品を使った中華料理というのは、基本的に存在しません。
(香港や台湾のような、先進的なところでは創作料理として、出会うときもあります。)

百数十年英国の植民地であった香港ですら、いまだに地元民向けのスーパーでは乳製品コーナーに品揃えが
貧弱なのを見ると、中華料理で十分栄養のバランスがとれているから、西洋のものなんかいらないと拒絶しているのかと思えます。
中でも、チーズは特にその臭いで嫌悪されていますね。(かつての日本もそうでしたが。)
香港でも、日本よりずっとずっと売り場での品揃えが貧弱です。
(台湾はちょっとましになりつつあるところですが。)
(若い人は、日本と同じで、ハンバーガーを食べていますので、プロセスチーズは浸透しつつありますが。)

中国の10年前を振り返ると、乳業に関するレポートでは「中国には漢民族向けの乳業は存在しない」とか「せいぜい都市住民向けに牛乳がある。」という程度でした。
ヨーグルトに関しては、モンゴル族やウイグル族のような遊牧民が自家消費のためのものがあるが、生産量については、自家生産なので工業統計はないというようなものでした。

その後、中国が発展してくる過程で、政府が乳業の進行をやっていますので、原乳生産量も毎年高成長をしているところです。
この数年であっという間に、日本の生産量800万トンを追い越し、引き離してしまいました。
生乳を使用する牛乳向けの原乳生産は、主に上海などの都市近郊で、酪農が行われることになります。
しかし中国での酪農生産量が一番多いのは黒竜江江省であり、また内モンゴル自治区などの生産量も増えています。

最終製品としては、飲用の牛乳が多いのですが、消費地から遠い黒竜江省などでは原乳を脱脂粉乳や全脂粉乳のような保存のきく形に変えて、消費量に生産が追いついていない沿岸地域に持っていっています。
生乳での保存は、保管コストの面や輸送インフラの面ででも非常に難しいのです。
これでも、まだ中国の需要には足りないので、豪州やニュージーランドからも、粉乳やバターを輸入をしています。

日本では、一般的に牛乳と呼ばれるものを、「牛乳」「加工乳」「脱脂乳」などとして、区分がはっきりしています。
(いろいろな問題を起こした企業もありましたが。)
ところが、中国はその基準がありません。
中国で牛乳と呼ばれているものには、脱脂粉乳に水を加えて、バターを加えた「還元乳」が多いのです。
これを、箱に印刷された表示では、記載する必要がありません。
このような還元乳は、どうしても味的な点で、生乳100%の牛乳とは違います。

たとえ味の面で劣っていても、これだけはおおきな問題ではありません。
中国では、一見政府が強そうですが、実際にはいろいろな部分ではコントロールがきかない部分が沢山あるようですが、農民のコントロールもその一つです。

農民も、どうしても生産量を追ってしまい、安全性についての配慮がないがしろにしがちです。
また、生産規模が小さく、設備が貧弱であり、原乳自体の品質の維持に問題があるということです。
機械での搾乳ではなく、手搾りであったり、搾乳後に原乳を地域の集乳所経由乳業工場に持っていくまでの
品質管理ができていないものが多いということです。
よって、原乳中の細菌数(一般性菌数や大腸菌群数)に大きなばらつきができます。
また、原乳中の栄養成分についても、乳固形分や乳脂肪量にかなりのばらつきがあるようです。
もちろん中国の国家基準に規定はありますが、日本で実際に行われている規格基準はそれより遙かに厳しいものです。
日本では、酪農家一軒一軒から始まり、乳業メーカーそして流通にいたいるまで、トータルで高い志を持って、厳しい消費者の要求に応えようとしています。
中国では、まだこのトータルなレベルでの管理意識を高めることがまだまだ難しいようです。

実は、中国の乳製品のもっとも大きな問題は、安全性です。
製品中に抗生物質が残留しているということです。

それは、次のようなことです。
酪農の環境の悪さから、乳牛は乳房炎になりがちです。
このため、餌に抗生物質を混ぜることが、広く行われており、この抗生物質がそのまま製品中にも残留していることです。
つまり摂取した人間の体にも、抗生物質が蓄積していくことになるのです。
この問題について、中国の乳業関係者は目をつぶっています。

この事実を知っている人で、輸入乳製品しか購入しないという人もいます。

もちろん、中国はどの部門においても成長を遂げていますから、今述べたようなことが急速に改善されていくものと思いますし、4-5年後には過去の問題になっているかもしれません。

すでに、蒙牛、伊利や三鹿や、光明のような大手は、酪農家の選別を始めているかもしれません。
黒竜江省に進出した日系メーカーは、そのように指導しているようですが、その分どうしても酪農家のコストが高くなってしまうわけでで、そのまま製品の価格に反映しますから、同業他社に比べて会社の発展が遅れます。
いくらよい技術を持ったものでも、市場が求めなければ、どうしようもありません。

ところで、ヨーグルトについてですが、輸入の脱脂粉乳がつかわれている可能性が高いので、やや安全性が高いかもしれません。 
豪州やニュージーランドから輸入されるLL牛乳であれば、間違いなくこの問題はないでしょう。
ただ、オセアニアはグラスフィードといって、穀物を与えず草だけで育てますから、日本人にとっては「青臭さ」を感じるようです。

ヤクルトさんは、日本でも非常に厳しい脱脂粉乳についての購入基準をもっており、それをほぼ海外でも守っているようにきいていますから、さらに安全性は高いかもしれません。

ちなみに、ヤクルトさんは、今やおそらく世界一の脱脂粉乳の使用量を誇っているメーカーではないでしょうか。
1960年代の台湾、ブラジル、韓国での展開に始まり、今や香港、インドネシア、豪州そしてメキシコ、オランダ等々
現地生産をおこなっています。

中国でも2年ほど前に、広州で初めて工場を造ったと思ったら、あっという間に上海に上ってくるといいますから、
たいしたものです。

短期滞在なら別に中国で乳製品をとらなくてもよいでしょうが、長期の滞在をされる方はやはり乳製品をとりたいでしょうね。
個人的には、中華料理は世界一の料理で、滞在中はずっと中華でも全く問題ないのですが。


※上記は、一応、3ヶ月前までの知識で述べたものです。

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