ブラジルの歴史認識と、アフリカへの謝罪
ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバは、
ローマ法王ジョアン・パウロ2世の葬儀に参列したあと、
アフリカ5ヶ国歴訪に向かっている。
5カ国は、
カメルーン、ナイジェリア、ガーナ、カーボ・ヴェルヂ、セネガル。
この歴訪は、元々予定されていたものである。
今日(4月14日)は、最後の訪問国となるセネガルに
到着した。
ゴレエ島という奴隷の「積出」港を訪れた。
ここある当時の収容施設で、
現在は資料館に展示されている写真などの
奴隷取引の資料を見学した。
ここで、ルーラ・ダ・シルバ大統領は、
ブラジルが過去に奴隷制度を持っていたことを
謝罪した。
この謝罪が予定されていたものか、どうかは判らない。
報道では、この資料館で、
「奴隷の傷み」を思い、感極まったということである。
ブラジルが、奴隷制度を持ち、アフリカの主に当時の
ポルトガル植民地を中心に黒人を奴隷として、
「輸入」していたのは、ポルトガル領であったときだけではなく、
19世紀初頭に独立したあとも、続いていた。
ブラジルに入った奴隷は、
米国にいたそれの2倍といわれている。
奴隷制が廃止されたのは、
19世紀後半に入ってからで、
米国の奴隷解放令よりも更に遅れている。
この大統領の歴訪には、
文化大臣のジルベルト・ジルGilbelto Gilが
同行している。
ここで、ジルベルト・ジルはフランス語で、
この収容所の歌を、伴奏無しで歌った。
このアフリカ5カ国訪問は、
国連の安全保障委員会の常任理事国の
ポストを狙った一連の活動の、一つである。
ルーラ・ダ・シルバ大統領は、
明日4月15日にブラジルに戻る。
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Comments
はじめまして。突然おじゃまして恐縮です。
ネットで遊んでいて、こちらにたどりつきました。大変興味深かったので、参照してトラックバックも送らせてもらいました。
ありがとうございました。
Posted by: 民草 | sexta-feira, 15 de abril de 2005 09:26
はじめまして、こんにちは♪
コメント&TB、どうもありがとうございました。今日の東京はかなり暖かく良いお天気です。
そうでしたか、数日前の出来事だったんですね。
これだけ情報技術が発達しても、日本の真裏のブラジルの情報が入ってくるのには時間が掛かってしまうんですね。
他の記事も読みました。とても勉強になります。以前、オーストラリア留学時にブラジル人の友達がアルゼンチンとの関係について話してくれたのを「人種差別発言」の記事を読み、思い出しました。
Posted by: lefty_zoe | domingo, 17 de abril de 2005 00:46
TBありがとうございました。
ブラジルに居住されているとのことですが、素朴な疑問です。
実際に現地では今回の謝罪についてどのように伝えられているのでしょうか?また現地に今でも残るアフリカ系の人たちはブラジル社会においてどのような地位を築いているのでしょうか?
Posted by: twmad_web | quinta-feira, 21 de abril de 2005 02:04
>twmad_web様
ここのニュースは事実を淡々と伝えただけです。それに継続報道もありません。
なぜ、突然セネガルでああいうことを言ったのかも判りません。
現在のブラジルでは、黒人の比率は低いのです。混血が半分以上を占めます。
その混血も進んでいるので、どことどこのなんて言えない状況です。
ただ、言えることは黒い方の人は一般的に貧しいということです。
Posted by: Sao_Paulo | quinta-feira, 21 de abril de 2005 03:56