ブラジル大統領は、61億ドルを韓国と日本で稼ぐ。
ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァは、韓国を訪問したあと、日本に滞在中である。
ブラジルと、韓国そして日本との間に、外交的に大きな懸案があるわけはない。
地球の裏側である。
ブラジルにとっては、経済問題(それも貿易と投資)に関心があるだけである。
この訪問で、両国からあわせて61億ドルの資金を得るということである。
大統領外交の大きな成果となる。
内訳は、日本から21億ドルで、韓国からは40億ドルである。
前大統領のフェルナンド・エンリキ・カルドーゾが、1996年に東京を訪問したときは37億ドルを約束された。
今回の日本訪問では13件の協定が結ばれることになっている。
もっとも大きなものは、ブラジル国立経済社会開発銀行と日本の国際協力銀行との間で取り決められるもので、輸出向けのインフラストラクチュアと産業への、5億ドルの中長期のファイナンス供与である。
ブラジル国営石油会社ペトロブラスは、国際協力銀行と三井物産、伊藤忠商事、NEXI(どこ?)、三井住友銀行との間で、Vale do Paraiba精油所の近代化計画へのメモランダムを取り交わす。
金額は、9億ドルである。
ペトロブラスはまたNexiおよび三井住友銀行から3億ドルのファイナンス供与のメモランダムを取り交わす。
Etescoは、Modec(どこ?)および三菱商事と4億ドルの契約を交わすであろう。
韓国との取り決めは、次のようなものである。
Vale do Rio Doce社(ブラジル国営鉱山会社)とPOSCO(韓国の製鉄会社)は、マラニョン州で25億ドルの投資になるであろう事業調査を正式に開始する。
両者は、マラニョン州で、年間750万トンの鋼板を製造するというプロジェクトを持っている。
Vale社は、またセアラ州のSao Goncado do Amarante社、そして韓国のDonkok Steel Mill社、ブラジルのセアラ製鉄と、鋼板製造の計画を持っている。
これには、ブラジル社会開発銀行、ブラジル東北開発銀行そしてセアラ州も関与している。
ブラジル銀行と韓国輸出入銀行は、商業およびファイナンスでの協力の拡大協定を結んだ。
ブラジルと韓国の貿易関係は、2004年にわずかに32億ドルである。
ブラジルの貿易総額の3.32%を占めるに過ぎない。
大統領と同行しているブラジル鉱山エネルギー大臣Dilma Rousseffによると、ブラジルの電力会社ELETROBRSは、韓国電力公社との間でいくつかの協定を結んだ。
韓国電力公社は、向こう7年間にブラジルで15億ドルの投資プロジェクトを推進するという。
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韓国は、ブラジルに入れ込んできていることが判る。
だが、ブラジルは段々と中国に取り込まれてきているのも事実である。
中国産品もどんどんブラジルに入ってきている。
はたまた、日本には戦略はあるのであろうか。
名前が出て来た色々な企業には優秀な人材はいることは間違いない。
しかし、そこに国策はあるのかな。
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Comments
はじめまして、なおりんりんと申します。TBありがとうございます。Blogをちょこっと拝見させていただき、私が知らないブラジルの姿に改めて驚いています。
まだすべて目を通していませんのでこれからじっくりと拝見させていただきます。
しかし、韓国がこんなにブラジルに入れ込んでいるとは知りませんでした。日本もこれから急加速で入れ込むでしょう。でもそれより先にやらなければいけない課題が山積みですけど。
Posted by: なおりんりん | segunda-feira, 30 de maio de 2005 12:23
>なおりんりん様
韓国の入れ込みが多いというよりも、日本の衰退がいちじるしいというのが正しいと思います。
1970-80年代は、ブラジルにおける日本からの投資残高が2-3位だったんです。
今は7位くらいです。
1990年代以降は、めぼしいプロジェクトがないのです。
Posted by: Sao Paulo | sexta-feira, 3 de junho de 2005 23:06