「三菱商事」のコーヒーが盗難
ブラジルのコーヒー生産は、いまだに、世界でダントツの生産量を誇っている。
しかし、ブラジルにとっては、輸出金額全体に占めるコーヒーのシェアは、ブラジルでの他の産業の成長と共にどんどんと下がり、すでに一桁台の前半である。
シェアは減ったといえども、コーヒー産業は大きい。
大きなコーヒー市場である日本にも、生豆(きまめ)を中心に輸出がなされている。
それを担っているのが、もちろん日本が誇る商社である。
ブラジルからのコーヒーは、三井物産や丸紅が強い。
そして、商社の中で最強の食品・食料部門をほこる、三菱商事も当然強い。
その三菱商事では、ブラジルのコーヒー部門は、サンパウロの三菱商事の現地法人からは分社化してある。
本社は、コーヒー取引市場があり、港のあるサントスsantosにあり、集積場はコーヒー生産の一つの中心地であるミナス・ジェライスMinas Gerais州のヴェルジーニアVarginhaというところにある。
ヴェルジーニアからサントスまでは、トラックで「生豆」は輸送されるのである。
そして、サントス港から日本に輸出されるのである。
その輸送中に、「生豆」を狙って、トラックごと盗まれてしまったというニュースがあった。
コーヒーは、農産物の中では重量あたりの単価が高く、さらに輸出用の豆は品質がよいのでさらに高いのである。
また、長期の保管ができるので、すぐに売りさばく必要もない。
犯人一味は、トラックごと盗んだ「生豆」を、サンパウロ州のアグアス・リンドイヤAguas de Lindoiaというところに保管していた。
ミネラル・ウォーターで有名な、やまあいのちょっとしたリゾートの街である。
もちろん、摘発されたので、今回の三菱商事の「生豆」は大丈夫だった。
袋に、三菱のマークが輝いているので、三菱商事向けの貨物ということが判った。
ブラジルでは、このような輸送中に強盗に襲われるトラックも多い。
昨年は、2542台で、被害金額は2億レアル(90億円)ということである。
だから、トラックは単独ではなく、隊列を組んで移動することも多い。
ちなみに、三菱商事のコーヒー部門の人は、能力的にきわめて優秀でかつ人間的にも面白く温かい人が多いように思っている。
この盗難、いつものことかもしれないけども、事件が起きたときはきっとあわてたことだろう。
特に、サントスに在勤の社長は。
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Comments
三菱商事の方を始め、現地法人とか、日本の商社の方々は、ほとんど!サンパウロ在住なんですよ。。サントスにはいないんです、一社を除いて。。その一社は、私の知り合いですが。。。
今、丁度カフェの研修で日本から人が一杯来ていたのでビックリされていたようです。。
(笑)
Posted by: Gabbyna | quarta-feira, 22 de junho de 2005 11:52
>Gabbyna様
さすが地元。
分社化して10年も経たないし、二人も駐在がいたんです。
それがある事情で1人になって、そしていなくなったわけですね。
サントスの機能の衰退なんでしょうかね。
80キロ近く離れたサンパウロからカバーできるのでしょうか。
コストの極めて高い駐在員を減らして、ローカルスタッフでやるということでしょうが、日本の顧客のうるさい要求に対応できるのでしょうかね。(ほっといても良いような文句が多いです)
日本の顧客は、そこに日本人をおいているという姿勢だけで評価しがちですからね。
Posted by: Sao Paulo | quinta-feira, 23 de junho de 2005 21:59