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quinta-feira, 18 de agosto de 2005

ブラジルの「不法占拠」運動 その1 ブラジルの農業

ブラジルには、「土地無き農民」運動というのがある。

一口に言うと、耕作する土地をくれという運動である。
具体的な活動は、他人の非耕作地に集団で住みついてしまうのである。
非耕作だろうが何だろうが、他人の土地である。
「私有財産権の侵害」である。

だいたい、ブラジルの東北部で起きている。
運動の指導者やその参加者と、土地の所有者のとの間には諍いが起きる。
当然だ。

土地の所有者は、だいたいとんでもない大農場の所有者で、その地域のボスであったりする。
「実際のところ」多少の土地が無くなっても困らないかもしれない。
それでも、自分の土地である。
守らなければならない。

そういう連中がやってきそうだという情報を得ると、追い払うために、農場で雇っている人間や街のごろつきのような人間を集めてくる。
話し合いにもならないので、銃で追い払う。
時には、死者も出る。

こんなことは20年くらい前から出て来たが、その10年くらいは運動も組織化してきている。
資金力もあるのだろう。

何年も何年も、人の土地を占拠する。
占拠しても、何も耕作はしていない。
「耕作」らしきこともしないで、何が「農民」かと思う。
炎天下の中、「ビニール」や「木」で出来た小屋で生活している。
そういう、この人たちの人生である。

こういうアピールを続けていると、政治的に解決されるときがあるから、そうしているのである。
たとえば政府の遊休地をただもしくはただ同然で貰えたりするのである。
そんなことがあるから、何年も運動に参加できるのである。

しかし、土地を多少自分のものにして、自作農になったとしても、問題は解決したことにはならないのである。

今時の人間は、自給自足は出来ない。
ブラジル東北地方は、貧しいとは言えど、インジオが住むアマゾンではないのである。
現金が必要なのである。

元々乾燥地で、地味の乏しいこの地域で自作を続けることは、難しいのである。
だから、資本がある大農場主の広大な土地にも遊休地が残っていたりするのである。

一体、どれだけの土地があれば、一家が食べていけるのか。
まず開墾をしなければならない。
機械を入れなければならない。
灌漑設備が必要かもしれない。
種を買わなくてはならない。
肥料も多少は必要であろう。
農薬もいるかもしれない。

全てお金が必要なのである。

そして、作物をお金に換えなければならない。
どんな作物が、その地域で換金性があるのかを、最初によく考えなければならない。
すべて、農業技術者の指導を得なければ、とても考えられないことである。

出来た作物を、消費地まで輸送する手段が必要である。
保管も必要である。

ブラジルの東北部でいったいどれだけの需要があるというのであろう。

結局、わずかな土地を手にした農民たちは、再び土地を手放すことになり「土地無き農民」になってしまう。
それらの土地を、ただ当然で買い取り、資本と技術でものにするのが、大農場主ということになる。

政府の土地とお金は、このように循環するのである。
運動家もこの循環で十分に満たされているようだ。

ブラジル政府は、小作農の育成の必要性があるといっている。
出来ることならそうである。

だが、現実に、ブラジルは世界の農業大国である。
いまや、広大な農地を機械化し、高度な技術で適切な作物を生産し、大規模さをもって、世界市場で競争できるコストを生み出しているのである。
それで、世界の増大する食糧需要をまかっていかなければならないのである。

遅れたブラジルの東北部の大農場主ですら、この流れにはついていけていない。

ブラジル中南部以南の高度に企業化された大農場主が、世界市場の中でしのぎを削っているのである。
農場には、自動灌水設備が張り巡らされている。
何十台もの大型トラクター、飛行機やヘリコプターを所有する。
サイロも大型トラックもある。
種苗場をもち、品種改良に努める。
衛星で、土壌水分量や降水予想の情報を得る。
インターネットで、ニューヨークの穀物相場を見ている。

こういった農場では、何十人もの技術者幹部と何百人もの農場作業労働者が働いているのである。

ブラジルの農業は、どう進むべきなのか、ブラジルのコーヒーを飲みながらでも、考えることはいくらでもある。
日本の夢ある農業者は、ブラジルではやれることが沢山あるに違いない。

本当に、ブラジルは恐ろしいほどの「コントラスト」の国である。

※サンパウロなどの大都市近郊は、小規模の近郊農業が成り立つ。
 生鮮野菜や花卉などの需要が大きいからである。

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