ブラジル・サンパウロの故地「シネ・ニテロイ」
ブラジル・サンパウロの中心部に近いリベルダーヂ地区。
その中で東洋人街と呼ばれるところは、元々は日本人移民が集まって、賑わっていたところである。
いまでも、東洋人街の街灯は提灯のようなデザインになっている。
リベルダーヂ大通りとバロン・ヂ・イグアペ通りの角に、この建物はある。
もう何年も空き家のままである。
10年15年ではきかないと思う。
その割には荒れ果ててはいない。
この場所には、「シネ・ニテロイ」という日本映画の専門上演館があったのだ。
行ったことがある。
古い古い、そしてかなり雨降りのフィルムの映画をやっていた。
繰り返し何年も何回も上映していたのであろう。
おもに、1950-1970年代の映画が中心だった。
時代劇や初期の寅さんをやっていた。
しかし、お客はほとんどいなかった。
新しい映画が入ってこなくて、客が飽きたこと。
その客も、移民たちの減少で減ったこと。
日本からビデオが入ってきたこと。
そういったような理由で客が減り続け、閉館を余儀なくされたようだ。
もう一軒別の所にも、映画館があった。
そちらも、同じような理由で同じ頃に閉館してしまった。
二昔前の、場末の映画館そのもののような所であった。
途中でフィルムが焼けて、切れてしまった。
日本人移民たちで溢れていた頃の、リベルダーヂの話を聞くと隔世の感がある。
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