ブラジルの80歳の年金生活者の執念
ブラジルのリオ・ジャネイロはとても風光明媚なところである。
サンパウロとは、全くくらべものにならないくらいだ。
青い海、白い砂浜。
そして、迫る岩山。
ブラジルを代表する風景そのものである。
サンパウロなんて、ちっともブラジルらしくない。
そのリオ・デ・ジャネイロのもう一つの顔は、大犯罪都市である。
白い海岸には、そのブラジルビキニのお姉さん方がいるわけだが、海岸から道を渡るとそこには高級アパート街が立ち並んでいる。
有名なコパカバーナ海岸もそうである。
アパート街の裏は、崖になっている。
この崖には、貧民窟(=ファヴェーラ)がある。
リオ・デ・ジャネイロの構造はどこでもこのようなものである。
富裕層と貧民層が、すぐ側で生活しているのである。
アパートの海側でない窓からは、そのファヴェーラの生活が目の当たりに見えるのである。
ある80歳の年金生活をしてる老女が、ファヴェーラを見ていたそうだ。
彼女のアパートのある階と、その崖にあるファヴェーラの高さか余り変わらなかったのだろう。
昼間からピストルを持ってうろつき廻る男たち。
麻薬を売買している男たち。
そして、7-8歳なのに麻薬を、友達と回しのみしている子供たち。
彼女は決めた。
彼女は、ビデオカメラを買い、もっとよく見える家を借り、2年間に渡って、ファヴェーラの犯罪を撮り続けたのである。
そして、その映像を警察に提出したのである。
警察は、昨日8月24日未明からそのファヴェーラに突入し、容疑者を逮捕した。
そして、その逮捕者には警察関係者も含まれていた。
彼女が撮った映像は、リオ・デ・ジャネイロのある新聞の一面に掲載されている。
今、彼女は、警察の厳重な保護の元にあるそうである。
彼女は富裕層であることは間違いない。
しかし、執念である。
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