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quarta-feira, 24 de agosto de 2005

ブラジル・サンパウロの貧民窟

ブラジルに限らないことであるが、どんなところにも貧しい人たちが住んでいる地区がある。

大都市でそれが問題になるのは、大金持ちが住んでいるのその影で、また多くの貧しい人たちが暮らしているということから、色々な犯罪が起きうるからである。
ブラジルは、世界でもっとも所得の分配が不公平な国である。
富が一部の層に偏在している。
逆に言うと、圧倒的に貧しい人が多いということである。

田舎であれば、富める人は少なく、所得差は少ないかもしれない。

だが、南米一の大都市サンパウロでは、その差は「月とすっぽん」の比でもすまないだろう。

サンパウロの南西部に多い富裕層の高級アパート街やお屋敷街を見ると、東京で高級といわれる地区よりも遙かにスケールが大きい。

だが、ちょっと中心部を離れると、そこはファヴェーラ(=Favera)と呼ばれる貧民窟が延々と続いている。

1960年代までの都市には、こういったところはあまり無かったそうである。
工業化が進む中で、わずかな農業収入では食べていけなくなった、主としてブラジル東北部の農民たちが、生活の糧を求めて大都市に流入し、形成されていったようだ。

流入の多さと、中での出生率の高さで、どんどんと規模を拡大していった。
ブラジルの場合は都市の周辺には空いている土地はいくらでもあるので、どんどんと占拠していくだけだ。

人が住んだ後に、水道が通り、電気がつく。
下水は簡単には行かない。

道路も非舗装である。
そのうちバスもやってくる。

元々は、字も読めないような人も多かったので、職といえば日雇いの作業労働者とか、女中と呼ばれるような不安定で低収入のものしかない。
そこでも生まれた子供は小さい頃から路上で働く。
子供はどんどんと作るから、食費も十分ではない。
栄養も足りず、衛生環境も悪いので、死亡率は高い。
学校にも十分に行かない。
また、字も読めない子供が育つのである。
貧乏の再生産である。

今、サンパウロには2018カ所のファヴェーラがあるそうだ。
116万人が住んでいる。
もっとあるような気がするし、多くの人がいるような気がする。

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だけど、あるファヴェーラを見ていると、すこしづつではあるがよくなっているようなのである。

モルンビー競技場から1キロほど行ったところにあるファヴェーラの中を通る必要があり、20年くらい見ている。

昔は、落ちている木材を適当に打ち付けたような家ばかりだった。
窓もなかった。
入り口には扉もなかった
そのうちに煉瓦を使い始めた。
2階建てになってきた。
部屋数も増えてきた。

屋根にテレビ受信用のパラボラアンテナが付いた。
車がある。
その車が、少しずつきれいな車になった。

家を建て直している者がいる。
煉瓦がむき出しの壁に、セメントが塗りつけられた。
煉瓦色の街並みが、セメントの色になってきた。
そこにまたペンキで色が付く。

窓には格子が付き、戸には鍵がかかるようになった。

今、そこから出てくる人たちは、キチンとした服装をした人たちが多い。
子供たちも学校に行っている。

人間は、よくなろうと努力をする。
努力をすると、よくなる。

ブラジルでもそうだ。

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