ブラジルの下院議員が議員資格を奪われた。
ブラジルは、2院制である。
その下院議員の1人の議員資格が、今晩(9月14日)に下院での無記名投票により剥奪された。
今後8年間は、政治的権利を失い、再選も出来ないのである。
賛成313票、反対156票という結果である。
ロベルト・ジェファーソンRoberto JeffersonというPTB(ブラジル労働者党)の人だ。
ブラジルの中央政界は、今年の5月中旬から政治的スキャンダルの嵐の中にずっと入っている。
毎日毎日、新たなスキャンダルが次から次から出て来ている。
なぜだか知らないが、暴露されるのである。
もとはと言えば、郵便局の調達入札に関する収賄の光景の隠し撮りビデオが公開されたところから始まっている。
贈賄側としか思えない人間が、口利きのわずかな金を渡すシーンが出たのである。
そのもらった方が、その時にお金の本当の行き先として名前をだしのたが、今日議員資格を失ったロベルト・ジェファーソンである。
早速、議会の中に「郵便汚職調査委員会CPI do Correio」というのが出来て、事実関係の調査が始まり、このロベルト・ジェファーソンも呼び出された。
その喚問の時に、このロベルト・ジェファーソンは自分のことは棚に上げて、「もっと悪いやつがいる」と言い始めた。
それが、今一番政界を揺るがせている「政権党労働党の連立与党議員への毎月のお手当問題=Mensalaoメンサロン」である。
ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァも設立時のメンバーである党が、政権の安定にために、連立与党議員に毎月お小遣いを裏で上げていると暴露したのである。
このお金を出していたとされる人も、連日のようにニュースに登場している。
更に、これに関与していたとされる、大統領側近から次々と名前が挙がり、公職を辞している。
大統領自身も知っていたのはないかとも、ずっとささやかれている。
先週は、さらに下院議長であったセヴェリーノ・カヴァルカンチという議会実力者に、毎月のお手当を上げていたと言い出すレストラン経営者が現れた。
まったく新たな疑惑である。
レストラン経営者は、誰も信じてくれないと言って先週の記者会見では、泣き出してしまった。
セヴェリーノ・カヴァルカンチの方は否定しているが、今日は支払いに使った小切手の写しが公開されて、苦しくなった。
ロベルト・ジェファーソンは、今日は議会に出て、大統領と労働党を糾弾する演説をした。
しかし、投票時には退席していた。
記者にもコメントを出していない。
それなのに、議員宿舎で客を呼んでパーティーをしているのは、理解できないといって今夜の最終ニュースは締めている。
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