ブラジルの司教が11日間のハンガーストライキを続けた。
ブラジルは、世界で最大のカトリック信者の人口を抱えている。
もちろん宗教の自由はあるし、カトリック以外の宗教の人口が増えているのは事実である。
しかし、何かの時にカトリックの隠然とした力が出てくる。
ブラジルの場合、カトリックといっても、やはりブラジルらしさが出てくる。
16世紀に始まる布教の歴史の中で、原住民たるインヂオやアフリカから連れてきた黒人達の種々の文化が習合していったからである。
そういった傾向が強いのは、歴史が古いブラジル東北部のようだ。
この地方の人たちは、信仰心も篤いようだ。
さて、このブラジル東北部は、ブラジルでは乾燥地域になる。
その乾燥地帯の面積は年々広がっており、農業が困難になって来ている。
ブラジルの最貧困地域である。
この地域を、ミナス・ジェライス州に端を発し、北に向かって流れアラゴアス州で大西洋に出る、サン・フランシスコ川というブラジルでも有数の大河が流れている。
上流域は乾燥地域でもないので、下流に至るまでも水量も十分なようだ。
ブラジル政府は、この川の水の利用して、乾燥地域の灌漑をするプロジェクトを打ち上げた。
下流域で、2カ所の取水場を設け、運河や導水管で、この川の恩恵を受けない州へ水を供給するという、巨大なプロジェクトである。
このプロジェクトで取水する水は、流水量の1%に過ぎないというのだが、現在の流域の住民にしてみれば、何らかの影響が出るのではないかと、危惧を持っている。
もちろん環境問題運動家も出てきている。
このプロジェクトの中止を求めて、バイヤBaia州バッハBarraの1人の司教がハンガーストライキを続けた。
今日(10月6日)に中止するまで、11日間続いた。
この数日、この司教の様子が報道されていた。
ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァは、「このプロジェクトについて、工事開始予定は具体的にまだ無い」と、取材の記者には明確には答えなかった。
今日、この司教Luis Flavio Cappioルイス・フラヴィオ・カッピオを大統領直轄組織の制度関係庁大臣ジャッキス・ヴァグネールJaques Wagnerが訪問した。
小さな教会で2人だけで、会談をした。
最初の40分の会議を終えたあと、大臣は屋外に出て、直接に大統領に電話をして報告し、合意書の作成について打ち合わせをした。
そして、再び教会に戻り合意書を作成し、教会の前で発表した。
合意内容は次の通り;
・プロジェクトにある、分水について対話をすること。
・地域の活性化と衛生に対して、3億5千万レアルを支出すること。
・大統領が、この司教と面会すること
とりあえずは、こういう解決になったようだ。
このプロジェクトですくわれる人も多いだろうし、貧困状態が多少なりとも解消される部分もあるのは事実である。
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