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segunda-feira, 31 de outubro de 2005

ブラジル・サンパウロの地下鉄 その3 駅建設中止の理由

ブラジル・サンパウロには地下鉄が4路線ある。
そのうち1路線は、南部のかなり郊外にあり、まだ短い距離なので、それほど利用客はいない。

そのほかは、市内の中心部を通過している。
まず、25年ほど前に南北に貫く線が出来ている。
ルース駅で、近郊電車と接続している。
その後すぐに東西を結ぶ線が出来た。
この線は最初は短かったが、徐々に延長されていった。
市の東部からの移動はこの線を利用するととても早い。
この2線は、サンパウロの歴史的中心部のセントロで交差している。

以前はそれほど混んでいなかったが、今は3-4分おきに走っているにもかかわらず、一日中混んでいる。

そして、3本目の路線が出来たのは10年ほど前だ。
最初に出来た南北を貫く線と接して、今のサンパウロの業務中心部のパウリスタ大通りの地下を走り抜けて、西部の住宅地で終わっている。
東に延長する工事が進んでいる。

そして、昨年末からは新たにセントロのルース駅を起点として、市内西南部へピニェイロス川を超えて、ヴィラ・ソニアVila Soniaという中流住宅街までの10数キロの新線の工事が始まった。

ヴィラ・ソニアには車両基地が出来、またバスの大きなターミナルが出来て、そこで乗り換えて市内西部各所や近郊都市に向かう拠点となる予定である。

この路線はいままで「バス」でしか市内中心部に向かう事が出来なかったこの地区の住民にとっては待望のものであるには違いない。

サンパウロから、ブラジル南部のパラナ州、サンタ・カタリーナ州そして最南部へのリオ・グランヂ・ド・スル州へ向かうBR116という重要な道の地下を地下鉄が走るのであるが、交通量の割りに道幅が狭く、朝夕の渋滞では車が全く動かないという状態が続いていた。
バスもバス専用車線につながって動かないという状態になっていた。

沿線に住む人のみならず沿線以西に住み人に大きな時間短縮効果が出る事は間違いない路線である。

市内中心部の始発のルース駅では、南北を結ぶ地下鉄および近郊電車と接続する。
そして、次のレパブリカ駅では東西を結ぶ地下鉄と接続する。
そして、コンソラソン大通りを進み、イジェノポリス駅そしてその次のパウリスタ-コンソラソン駅で、更にパウリスタの大通り地下を通る地下鉄と交差する。

市内中心部を通る3本の地下鉄全てと接続するわけである。
この意味でも利便性は極めてよくなるわけである

パウリスタ大通りからはレボーサス大通りそして西部の商業集積地のピンニェイロスの方へちょっと方向を変える。
このレボーサス大通りは、ブラジル大通りおよびブリガデイロ・ファリア・リマ大通りと平面交差するために、日曜日でさえも渋滞するという通りである。
パウリスタ大通りからピニェイロス側までは、沿線は高級アパート街と商業住宅混在地域が多い。

ピニェイロス川をわたる前に、ピンニェイロス川沿いに走る近郊電車と接続する。
今まで接続が悪かったためにあまり利用者がいなかったこの近郊電車の乗客も増えると見られる。

ピニェイロス川をわたると最初の駅は、ブタンタン駅である。
付近は、一戸建てだけの高級住宅街である。
大きな通り沿いには、商業施設がある。
駅からは、サンパウロ大学が近い。
そして、ブタンタン駅の次の駅はトレイス・ポデーレス駅、モルンビー駅、ヴィラ・ソニア駅となる。

ここは、BR116(このあたりではフランシスコ・モラット大通り)の地下を通っていく。
この道沿いにはずっと商業施設がつづいているのである。

モルンビーといえばサンパウロ西南部の一戸建て住宅専用最高級住宅街であるが、この路線はそのモルンビー地区の北の端を通っている。

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(色を付けたところが一戸建て住宅専用地区=高級住宅街)

ところで、トレイス・ポデーレス駅の建設が止まり、駅は設置されない事になった。
駅周辺の住民が、駅の設置に反対をしたからである。

駅には、大規模なものではなくても、必ずちょっとしたバスのターミナルが出来る。
そうすると人の動きが増えて、商業施設には良いようなものである。

だが、露天商もよってきて、勝手に歩道を占拠したりする。
なんだか混沌とした状態になってしまうのである。

この付近の住民に言わせると、住宅街の環境が乱されるという。
よそから人がやってきて、今まで来なかったような泥棒も簡単にやってくる可能性も高い。

そして、駅なんか無くても、このあたりの住民は「地下鉄なんか利用しない」で、「車で移動する」から全くかまわないという事である。

そういう意見が通って、この地下鉄を建設しているサンパウロ州知事アルクミンが「駅工事の中止」を決定した。

穴だけは開けておいて、将来の設置には備えるそうである。

サンパウロの最高級一戸建て住宅街のひとつであるパカエンブーの住民が、パカエンブー競技場でのコンサートの中止を求めていた話もあるが、地下鉄の駅の設置の中止とはまた凄い。
確かに、駅の南側は豪邸ばかりで、森のようである。
歩いている人などほとんどいないところである。

spd20051029m
(南側の家には、ほとんどの家にプールがある。)

それだけ、アルクミン州知事にも圧力をかける事が出来る人たちが住民になっているわけである。

この駅の設置中止により、ブタンタン駅とモルンビー駅の距離は2400メートルになって、この路線では最長になる。
地下鉄の建設担当者によると、駅と駅の間隔はその中間に住んでいる人からいずれかの駅へ最大1000メートルの距離に納めるというのが、駅の設置基準であるという。
このトレース・ポデーレス駅の設置中止でこの基準は破られた事になる。

次の知事で決定が翻されるのを待つしかないと言う。

アルクミン現知事も、来年のブラジル大統領選挙の有力候補の一人である。
富裕層の意向を無視することはできないわけである。

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