ブラジルの「銀行強盗は凄い」
ブラジルは、「犯罪」が多い。
8月に起きた、トンネルを掘って中央銀行支店の金庫を破った事件も、手口の見事さで感心した。
今日(10月6日)、ブラジルの「銀行強盗」は本当に凄いと思った。
銀行には必ずお金があるので、強盗がやってくるのは、当然といえば当然である。
サンパウロでは、一時は銀行の支店の前を歩きたくないくらい、強盗が発生していた。
そこで撃ち合いが始まって、巻き添えを食らっては嫌だからだ。
ガードマンも当然銃を持っている。
現金輸送車などは、まるで装甲車である。
銀行前に駐車すると、手順にのり、4人の武装したガードマンが、四方八方に目を凝らせて、周囲を確認し、銀行中に入っていく。
そして、出てくるときも、同様に手順にのり、輸送車まで、順に移動していく。
そういうときに銀行に行くと、こちらまで緊張してしまう。
こんななので、日本の現金輸送車など、「丸腰」としか思えない。
ただ、銀行の警護があまりに厳しいので、サンパウロでは銀行強盗は随分と減ったそうだ。
割が合わないらしい。
さて、今日はブラジル北部のパラ州の奥地のある街で、ブラジル銀行Banco do Brasilの支店が襲われた。
ブラジル銀行は、国営の商業銀行で、ブラジル中のどこにでもある銀行である。
小さな街にもある。
強盗は、数人で、仮面をつけていた。
そして、銀行の前にピックアップトラックを止めた。
すぐに、銀行のガードマンも制圧した。
そして、道を歩いている人も含めて、人々に手を上げるように言った。
銀行の係員に、現金を集めさせて、ピックアップトラックに積ませた。
そして、人質を乗せて、立ち去った。
この間40分だそうである。
人質は郊外で解放された。
犯人一味は、誰も逮捕されていない。
それだけなら何も凄いことではない。
何が凄いというのは、その映像があることである。
手を上げている人々。
大人数である。
犯人は、ライフルを持って、仮面をしている。
現金の入った袋を乗せる。
そして、人質を乗せる。
こんな映像があるなんて、映画の撮影ではあるまいし。
そして、これだけの時間があったのに、警察はどうしていたんだろうとか思う。
人質がいたから、手が出せないということもあるのは事実だ。
しかし、非常線くらいは張って、幹線道路を閉鎖することは出来なかったのだろうか。
実は警察もいたのである。
「向こうは武装していたし、よく訓練されていた」
歯が立たなかったようだ。
田舎町では、警察の人数も少ないし、応援が来るにも、距離がある。
結局、自分は自分で守るしかないところだろう。
こういう地方では、「銃の販売を禁止するべき」という国民投票には、「いいえ」と投票する人が多いに違いない。
ブラジルでは、今日の事件だけではなく、同様の映像が他にもあるようだ。
さすがに、サンパウロでは警察も多いし、大都市なのでこの種の事件は今は起きないと思う。
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Comments
ブラジル銀行が本国でこの有様なのだから日本の支店・営業所においても警備が厳重にならざるを得ないというのは仕方ないことなのでしょう
実際に浜松支店に強盗が押し入った事実もあり、私がいた営業所レベルでも警備員が常駐されておりました
「日本の他の銀行ですら警備員は居ないのに俺達のことを疑っているのか?」とブラジル人のお客様からよく言われました
Posted by: itoken | sexta-feira, 7 de outubro de 2005 05:08