ブラジルで史上第2位の銀行強盗発生 その15 犯罪の連鎖は続く
ブラジルの東北部セアラ州の州都フォルタレーザの中央銀行の支店で、史上第2位の銀行強盗が起きてもう3ヶ月以上が過ぎた。
犯人グループのうち、10名程度はぞくぞくと逮捕されているが、戻ってきたお金は盗難金額のわずか11%にとどまっている
先月には、この犯罪に資金を出したといわれているフェルナンヂーニョという男が、サンパウロで誘拐された。
家族が、「彼の分け前」を身代金として支払ったが、程なく死体で発見されている。
この事件では、警察関係者が数名逮捕されている。
つまり、警察の捜査の中で容疑者として上がってきた「フェルナンヂーニョという男」を、警察が逮捕することなく、誘拐し、上前をはねたという事である。
警察しか知り得ない情報で、「フェルナンヂーニョという男」を発見し、誘拐し、身代金を貰い、そして犯罪の発覚を恐れてそのまま殺しているわけだ。
こういう事が起きうるから、ブラジルでは警察を完全に信用する事が出来ないのである。
この誘拐殺人事件の犯人グループの一部が逮捕されているにもかかわらず、「銀行強盗犯人から奪った」身代金の一部でも発見されたという報道はない。
そして、また今日も「最初に起きた銀行強盗」に関する事件の報道がある。
銀行強盗に当たっては、銀行の金庫の内部情報を漏らしたものがいると、初めから疑われていた。
それで、元警備員が逮捕されていた。
そして、こんどはこの元警備員の「妻」が誘拐されていた。
元警備員デウジマール・ネヴェス・ケイロスDeusimar Neves Queirozの妻マルリMarliが、フォルタレーザ市の内陸部で、先週の金曜日に誘拐されて、日曜日に解放されたという。
この情報は、今日の月曜日に発表された。
マルリは、解放されたあとは両親の家に隠れていた。
デウシマール・ネヴェス・ケイロスは、彼が働いていたフォルタレーザ市の中央銀行の強盗に加わった嫌疑で、拘束されている。
マルリと夫婦の2人の息子は、警察と思われる11人の男に金曜日に誘拐された。
彼らは、デウシマール・ネヴェス・ケイロスが中央銀行の防犯システムの情報を与えた対価として受け取った50万レアル(2600万円)を奪った。
お金は、マルリの従兄弟の家の隣の土地に、PVCのパイプに入れて埋めてあった。
誘拐犯は、マルリを、マルリとデウシマール・ネヴェス・ケイロスの生まれたイラウスバIrauçuba市のその場所まで連れて行った。
従兄弟の一番年上の息子が、マルリの指示によって、マルリとその夫が土中に中央銀行の事件のあとに隠していたそのものを掘り起こした。
誘拐犯はPVCのパイプを焼いて、3台の車で逃げた。
警察によると、誘拐に使われた車は、赤のゴウGol vermelho、銀のパラチParati prata、黒のゴウGol preto
である。
元警備員デウシマール・ネヴェス・ケイロスは、警察には20万レアルしか受け取っていないと言っていた。
中央銀行支店からの盗難金額は、1億6470万レアル(約85億円)である。
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まったく、「面白い」話だ。
今後も、このような連鎖が続くのであろうか。
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Comments
日本では広島小学1年生の女の子が下校時にダンボールにつめられで死亡し、当初発見されなかったランドセルはみつかったがという事件や島根で通学時の小学生の列に車がつっこむという事件が起きていますが、ブラジルも大変ですね。年末に向け犯罪が増えていくのでしょうか。
Posted by: 星の王子様 | terça-feira, 22 de novembro de 2005 18:06
>星の王子様
ブラジルは、クリスマスに向け犯罪は確実に増えます。
誰でも、豊かなクリスマスを迎えたいですからね。
とくに、学校が休みになった後は、子供に気を付けなければなりません。
Posted by: Sao Paulo | domingo, 27 de novembro de 2005 17:37