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sábado, 10 de dezembro de 2005

ブラジルの「復讐」の続き

先日、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで起きた市内バスへの放火事件
罪もない乗客が亡くなっている。

これが、「警察」への復讐というのである。

この事件に関係した者達が、続々と逮捕されているのである。


最初に逮捕されたのは、この事件の一番最初に登場した未成年の少女である。
手を上げて、バスを停めるのが役割であった。

この少女は、13歳である。

この少女は、公式にはブラジルにはいない。
出生証明書がないのである。
そのほかの公式書類も一切ない。

当然、学校にも行っておらず、字も読めず、書けない。

母親が与えてくれた名前はある。

この5人の乗客を焼き殺すのを手伝った少女の人生は、「道」から始まっている。

記者のインタビューに応じている。

「私の人生は悲しいことばかりだった。こんな風になるとは考えたこともなかった。人生では全てのことが起きた。
どれだけ傷ついたかわからない。 でも人生はこんなもの」

初めて道で食べ物を請うたのは7歳の時。
母親が女中のしごとを失い、7人の子供を養っていけなくなった。
9ヶ月後、母親は結核で死んだ。 42歳だった。
その間、一度も市の社会福祉援助を受けなかった。

生まれたのは、8月2日。
父親は、乳児の内にいなくなった。
父親について知っているのはそれだけ。

学校にも行っていなければ、字も習ったことはない。
食べ物を得るために、麻薬に関わった。

この事件の指示をしたといわれているアンデルソン・ゴンサウヴェス・ド・サントスAnderson Goncalves do Santos 、通称ロルヂLorde(29歳)と暮らすようになった。
彼に貰われた。
そして、伝言係をしたり、麻薬を包装したりした。

「事件については何も話したくない。泣いた後に、頭がとても痛くなった。後悔している。 でも自分の将来のことを考えたい。 違う人間になりたい。 福音派の教会に入りたい。他人によいことをしたい。 勉強して、医者になりたい」

他の6人とともに彼女はバスを焼くのを手伝った。
悪いことをするとは思わなかった。

「自分はとてもいい人間だ。 いままでに失業した人や病気の人の手伝いをした。 自分の望まなかったことをしたことをわびたい。 頭の中が混乱している」

「もし時間が戻せるならば、やったことをしない」。

何度も繰り返したことは、「今望むことは幸せになること」。

母親が死んだ後に自殺をしようとしたことがある。
住んでいるファヴェーラの崖の岩に昇ったが、怖くなった戻った。


サブリナ・アパレシーダ・マルケス・メンデスSabrina Aparecida Marques Mendes21歳が逮捕された。
彼女は、この事件を指示したロルヂの彼女。

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カメラマンに囲まれて、嬉しかったのか、ポーズを作っていた。
ちょっと微笑んでもいた。
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この「小さな事件」に関係する人たちは、それぞれどれだけ「重い人生」を引きずっているのかと考える。

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