ブラジル・サンパウロの大富豪の豪邸でも侵入される
ブラジルで最も富豪といわれているのはヴォトランチン・グループの総帥アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスAntônio Ermírio de Moraesである。
ヴォトランチン・グループVotorantimとは、セメントを中心としたコングロマリット・グループで、他にオレンジ果汁生産や金融などもやっている。
このグループの本社は、サンパウロの歴史的中心部のセントロのアニャンガバウの市立劇場の後ろにある重厚な建物である。
アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスempresário Antônio Ermírio de Moraesは、20年ほど前には大統領選挙に立候補したこともある。
そういうアントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスの豪邸を、普通の人は襲おうなどとは思わないはずなのだが、1月28日土曜日に、武装し、頭巾をかぶった3人の男に襲われて、あっさりと侵入された。
3人は20歳前後だったそうだ。
運転手を制圧したあとに部屋に閉じこめ、そして使用人も制圧して、まだ他に家にいるか言いうように強いた。
この家は、サンパウロ西南部の高級住宅地区のモルンビーの中でも最高級のシダーヂ・ジャルヂン地区のガリア通りRua Gáliaにある。
強盗は上階に上がり、そこにはアントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスが休んでいた。
使用人はアントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエス77歳の部屋の戸を、強盗に強いられて叩いた。
アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエス自身が、強盗と対峙することになった。
アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスは、ともに社長であるヴォトランチンとベネフィフィセンシア・ポルツゲーザ病院Hospital Beneficência Portuguesa(ポルトガル慈善病院;地下鉄ベルゲーロ駅から陸橋を渡ったところにある巨大な病院)の仕事をするために、サンパウロにいた。
アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスは強盗に妻のマリア・レジーナMaria Reginaは息子と孫とともに海岸に行っていると、言った。
家に侵入されたのは、朝の6時過ぎである。
妻によると、アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスは冷静に行動した。
強盗と議論をしなかった。
強盗は金をくれといった。
アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスは彼らにこの家には金庫はないといった。
強盗は、宝石と時計を発見した。
彼らは、更に、アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスの妻の香水を持っていった。
”彼らの彼女は今頃匂いまくっているに違いない”
妻のマリア・レジーナMaria Reginaはいつもは家にいる。今まで一度も強盗が来たことはなかった。
「事件が起きたと聞いたので、息子や孫と過ごしていたベルチオーガから戻ってきた。 冷静なアントニオ・得る見リオ・モラエスと会った。 彼は正しく行動した。 そしてまた自分たちが平静でいられるようにするようにした」と、マリア・レジーナは言った。
しかし、アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスの家が強盗にあったということを確認する前には、アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスが誘拐されたという情報が街に流れた。
アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスの証言による、事件の調書では、盗まれたのは3000レアル(約15万円)、運転手の携帯電話、まだ価値のわからない宝石である。
強盗は、運転手を連れて、会社の車で逃げた。
運転手は、その後、タボン・ダ・セッハ市で、車とともに置き去りにされたところを、警察によって発見された。
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強盗も、位負けしたんだろう。
何を盗まれても、全く動じることがないくらいの大富豪である。
車でも、絵画でも、家ででもある。
アントニオ・エルミリオ・ヂ・モラエスは、老いてはいるが、かなり迫力のある人である。
「仕事が大好きな、とても真面目な人」として、有名である。
サンパウロの、つまりブラジルの産業界の重鎮である。
しかし、その彼ほどの人の家が易々と侵入されるとは驚きでもあり、不思議だ。
とんでもない警備になっているのが常識のはずである。
この強盗もとんでもない相手に出会ったと思っているはずだ。
この強盗達がこれから不幸な目に遭うことは間違いない。
まだ若いのに長生きは出来ないだろう。
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