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sábado, 25 de março de 2006

ブラジル・サンパウロでの刑務所での反乱

ブラジル・サンパウロ州で、この7日間に、8カ所の刑務所で反乱が起きていた。
※図中では7カ所であるが、後述するもう一カ所でも起きた。
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ブラジルでは、刑務所や少年院での反乱は、日常茶飯事で取り立てて珍しいことではないが、集中して起きるのは異常だ。

もっとも、日本の人には、刑務所の反乱といっても、どうしてそんなことが起きうるのか全く理解されないだろう。

だいたい、犯罪が多いサンパウロなので、刑務所はあちこちにある。
本当によく見かけるのだが、つくりはちゃちなものが多い。

さらに、とても慈愛に満ちていて、日中は外に働きに出かけられたり、週末には家族と「親密に」面会できたりする。

看守も話がわかる人がいて、色々なことに目をつぶったり、(外部の仲間に脅かされて)目をつぶらせられたりしている。
そういったこともあって、携帯電話も普及している。
刑務所の中から、家族に電話をしたり、それどころか外部の仲間に犯罪の指示をしたり出来るのである。

そういった「素敵な」環境にあるのだが、問題は「人口増」だ。
何しろ次から次へと入ってくる。

解決法は、刑期満了前に出所させる仮釈放なのだが、それも追いつかない。

定員の何倍も詰め込まれて、生活環境が悪いらしい。
刑務所ばかり、次々に建設していくわけにはいかないのだ。

また、内部で「対立組織」との争いも発生する。

こういうときに、フラストレーションが爆発するのだ。

気にくわないもしくは気に沿わない看守を人質にしたり、どさくさ紛れに対立組織の者を間引きしたり。

こういうときには、大抵脱走も絡んでいる。
脱走をうやむやにするために、連動して反乱を起こすのだ。
脱走した者は、携帯電話で連絡してある仲間が外で待っていて、刑務所からの脱出に成功すると、あとは一気に高飛びが出来る。
脱走する者は、組織の幹部が多い。

3月22日木曜日に起きた、サンパウロの北50キロのジュンジャイというところで起きた反乱では、7人が死んだ。
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大体、定員120名のところに400名以上が詰め込まれていた。

人質に、刃物を突きつけている反乱者。
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反乱者と交渉する、鎮圧のための警察官。
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収容者達の家族が、遠巻きに見守る。
そして、警察からの情報がないといって抗議する。
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何故7人も死んだかというと、
日頃対立しているグループの獄舎を襲った。
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鉄格子越しに、争った。
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中にいる者が、ベッドのマットレスを盾にした。
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そのマットレスに火がついた。
このマットレスからでた有毒ガスにより中毒したり、酸欠になったりで、死んだのだ。
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そんな刑務所に入らないようにするべき、つまり犯罪を起こすべきではないという戒めにでもなればよいのだが、そうはいかない。

なかなか解決しえない社会問題が、いっぱいある。

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