ブラジル・サンパウロでの警察への攻撃 その8 7日目
ブラジル・サンパウロで起きた、犯罪組織首都第一軍団PCCによる一連の警察施設の襲撃やバス焼き討ち事件が始まったのは、5月12日(金)の夜であった。
今日5月19日で、ちょうど7日目になる。
朝から快晴のサンパウロは、気温も上がり久しぶりに24-25度くらいまで上がって、ぽかぽかしていた。
夜半から朝方は12-13度まで冷えるサンパウロでは、昼間のうちにたっぷり日の光を浴びておきたい。
こういう天気の日だからかもしれないが、サンパウロの中心部は車も人もいっぱいで、明るいせいか事件の影など無くなったようだ。
今朝は、襲撃は伝えられていない。
拙宅の近くのイジェノポリスの警察署の前には、車線規制はまだ行われているが、数日前の緊張感はない。
銃を抜いて、手にした警察官の姿も消えていた。
サンパウロ東部のカホン地区に所用で行ったのだが、途中で警察が大規模な警戒態勢を敷いているようなところはなかった。 警察署がたまたま無かった経路だったこともあるだろう。
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もちろん、テレビのニュースではこの事件の報道が多くを占めている。
新聞もそうだ、
この1週間に渡るこの事件のために、放送されなかった事件は何だだったのだろうかと、思いも及ぶ。
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サンパウロの一流紙のFolha de Sao Paulo紙のサイトには、この事件だけのページがある。
今日の17時50分までの見出し(抄録)だ。
19/05/2006
17h50 刑務所での携帯電話のシグナルのブロック計画が機能し始める。
17h30 サンパウロ州内陸部で、市ガードに対して11発の弾丸。
16h06 J判事が更に4人のPCC関係者を隔離。
13h25 一連の攻撃のあと、サンパウロの法医学院は超満員。
11h40 サンパウロ州で刑務所付近の携帯電話のシグナルのカットが始まる。
09h00 警察は無実の人を殺していないと、軍警大佐は言った。
08h38 攻撃開始から1週間経って、サンパウロは通常に戻り始める。
08h04 マルコアは、レンボとフルカワを殺すと脅した、報告者による。
07h59 警察は、サンパウロはPCCに対して間違しをし、組織が成長するのを助けたと言った。
02h03 【訂正】警察のある道で爆弾が見つかったのは、間違い。
01h17 軍警はPCCの攻撃に対する怠慢は州の局が責任を取ることを望む。
00h31 警察のある道で爆弾が見つかった。
00h06 PT と PSDBのゲーム。
18/05/2006
22h44 ミランドポリスの刑務所の職員が、暴動から3日経って復帰した。
20h46 警察が、サンパウロで、検問の間、爆弾を持った容疑者を殺した。
20h30 犯罪者が、カンピーナスでバスを燃やした。
19h57 サンパウロで、グループが病院に侵入し、攻撃で被弾していた患者を殺した。
19h52 サンパウロにおける「襲撃の波」で、警察によって殺された容疑者は107人。
18h58 国会調査委員会は、ブラジル弁護士協会に対してPCCに関係する弁護士の資格停止を要望。
起きたこと全てが、ここにあるわけではない。
また、全てが「襲撃の波」に関係しているかもわからない。
ただ、ブラジルでは、サンパウロ州では、色々なことがまだ法の下でコントロールされていることは間違いない。
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一連の事件に関係する犯罪容疑者と見なされて、警察と交戦し、警察に殺された者の数が、あのカランジウ刑務所の反乱での死者を越えたそうだ。
法医学院では、これらの死者の身元の確認に手間取っている。
身分証明書を持って犯罪を犯す者はいないからだ。
指紋などから鑑定をする必要がある。
警察は、このためいまだに1人の容疑者の身元も公表していない。
これに対しては、非難の声がある。
今週初めから帰ってこない家族がある者が、訪れているようだ。
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テレビでは、この襲撃でなくなった警察関係者の遺族の様子も映し出した。
いきなりの襲撃で、当初多くの警察関係者が亡くなった。
亡くなった場所。亡くなった様子。 悲嘆にくれる未亡人。 何も知らない幼子。
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全ての人たちにとって、静かなときが戻ることを祈るだけだ。
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Comments
失礼な話かと思いますが、改めて日本のまじめさを知らされます。そして飛びぬけた才能のいないサッカーも日本そのものである。
けれどそれを不満に思うあまりダイナミックな社会を望もうとするのは愚かなことなんでしょう。
しかし、そういう流れは確実生まれていて、現状に対する不満、不安を煽って誘導しよう、またされようとしています。
日本は今の自分自身を正確に把握できる冷静さを欠いていると思った。
Posted by: くらげ | sábado, 20 de maio de 2006 04:34
>くらげ様
外国に住んで初めて、日本という国が見えてきます。
ただどの国においてもいつも変わらないことは、それには安静な幸せな生活を望む普通の人たちが生きているいうことです。
「英雄のいない国は不幸だけど、それを望む国はもっと不幸だ」という言葉があります。
よりよい方向に少しずつ進んでいくしかないでしょうね。
Posted by: Sao Paulo | domingo, 21 de maio de 2006 16:30