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terça-feira, 6 de junho de 2006

ブラジルで起きていること その1 土地無き農民運動

ブラジルには、「土地無き農民運動」MSTという、運動がある。

この運動が、最近とみに先鋭化している。

6月6日には、ブラジルリアの国会に乱入し、打ち壊しを行った。
「20060606JG-MLST-Invasao-Camara.wmv」をダウンロード

この運動を、ここまで増長させたのは、現ブラジル大統領のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シウヴァだと断言してもよい。

「土地無き農民」というのは、土地を借りているどころか、耕作地が全くない農民である。
土地もないのに農民かと思う。

ブラジルの植民地時代からの仕組みや制度の中で、今も大きな歪みを生んでいるのは大土地所有制度である。
すでに、植民地ではないし、そういった貴族がそのまま土地を所有しつつけているわけでもない。

しかし、ブラジルの農業を考えると、資本主義の周辺地域として、資源としての農作物を作るような位置づけになっている。
たとえば、現在であれば、サトウキビや大豆などの作物を作るということである。
いずれも資本集約的な生産形態を必要とする。

大きな土地を使い、機械化し、技術を必要し、商業化している。
零細経営では、こういった作物の世界市場では戦えないのである。

サンパウロ近郊の大都市住民を狙った野菜・果樹や花卉の農業であれば、小規模な家族経営でもやっていけるが、ブラジルの農業ではそういったのは例外である。

貧しいブラジルの辺境地区で、零細農家は自分が生きていける自給自足をやっていくことも難しいかもしれない。
市場も、インフラも整っていないからだ。
そして、何よりも技術を持っていない。

土地無き農民運動がやっていることと言えば、
どこから連れてきたのか知らないが、
「土地無き農民」を扇動し、引き連れて、 
ブラジルの東北部の大農場の未利用地に侵入していた。

仮に未利用地であっても、私有地である。
私有財産権の侵害であるので、立派な犯罪である。
こういったことに警察が何かしてくれるわけでもなく、
行政もないもしなかったので、
侵入された農場主は「用心棒」を雇って、
それで人が死んだりした。

そういったことが起き始めたのは20年前くらいだった。

ところがこの運動が、徐々に力をつけてきた。

「食べていける小作農を増やそう」という総合的な施策でもあるならよい。
無い。

そのうちに、「ごねどく」で土地を得たりしていた。
だが、元々農業で食っていこうという気も、能力もない者がいっぱいいるわけだ。
その土地を転売してしまう者が、いっぱいいるという。

結局、この運動は「ごろつき」並みになっているところもある。

2-3ヶ月前にも、
製紙会社の研究所を襲った。
製紙会社だから、広大な土地を持っている。
だからといって、貴重な研究がつけられている研究所を徹底的に
破壊してよいという理屈がどこにあるのだろうか。

誰が、その保証をするのだろうか。

今日も、約300人が侵入し、破壊しまくった。
どうしてこの行為を正当化できるのだろうか。
誰が、この被害を補償するのだろうか。
この300人は、ただ上層部から指示されただけである。
逮捕されても、何の解決にもならない。

MSTの集会に、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シウヴァが参加して、
アジ演説をしているうちに完全にこの組織は増長している。

こういった行為を続けているMSTを、取り締まる動きにはならない。

この行為に対して、そのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領は
今日何もコメントを出していない。

肝心のMSTは、一体何を目指しているのだろうか。
土地があっても、それだけでは必ずしも生きていけるわけではないことは、
指導者層はわかっているはずだ。

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