ブラジル・サンパウロの犯罪組織による襲撃 その3 早くも収束。
7月12日水曜日未明に始まった、犯罪組織によると見られる一連の襲撃事件。
ブラジル・サンパウロ州の警察関係施設だけではなく、
一般の商店、銀行、スーパーなどが襲われた。
襲撃の合計は100件を超えているが、その半数は定期バスである。
バス車庫を襲った例もあるし、運行中のバスを襲った例をもある。
乗客や乗務員を降ろした後に、放火して燃やすのである。
不幸なことに、バスを降りるのに手間取って、火傷を負った運転手や乗客もいたことが報道されている。
7月13日木曜日は、
サンパウロ市内のバスの8割が、早朝から運行を見合わせたので、
約200万人に影響が出たと言っていた。
16時には運行を再開したのであるが、
100%ではなかった。
元々出勤を諦めたり、別の手段を使った人もいたようだ。
拙宅の近くの幹線道路は、20時頃も渋滞してクラクションを鳴らしている車がいた。
普段は決して渋滞はしない道路である。
この襲撃も、7月14日金曜日になると、かなり収まったようだ。
理由はわからない。
今回は警察が襲撃者と交戦をして、人が沢山死んでいるという報道はない。
死んでいないわけではないが、5月ほどではない。
収まってくれるに越したことはないが、
完全に止むわけではないところが問題だ。
サンパウロ市民も、5月の一連の襲撃事件が発生した時には、かなり行動を控えたようだが、
今回はそれほどでもなかったようだ。
前日にバスが燃やされたヴィラ・マダレーナというレストランやバーが集まっている地区でも、店は繁盛していた。
早くも慣れっこになったようだ。
連邦政府は、1億レアル(52億円)をサンパウロ州に出すと決定した。
半分は犯罪組織についての情報処理に使い、残りは刑務所の強化に使用するということだ。
①今回の襲撃事件が起きる前1週間は、すでに刑務所の職員が毎日何人か自宅前などで殺されていた。
そして、7月11日に起きた事件では刑務所職員の息子が自宅前で殺された。
親に間違われたのではないかと報じられていた。
名前はドウグラスDouglas。
日本から戻ってきたばかりだという。
サッカーをしに行っていたも言っていた。
顔の感じでは、日系人のようではないか姓は日系人のようだった。
②モトロフのカクテル
襲撃犯はピストルなどの銃器も使うのだが、
銀行やバスの放火の時には火炎瓶を使っている。
ニュースでは、火炎瓶のことを、Bomba caseira手製爆弾とかBomba inflamavel引火爆弾とかと呼んでいる。
だが、時にはcoquetel de Morotovモロトフのカクテルと呼んでいる時がある。
「20060713emcimadahora-molotov.wmv」をダウンロード
このモロトフのカクテルという言い方を、ブラジルでもするので面白いと思った。
日本でも学生運動が華やかりし時には、この言葉を知っている人も多かったのではないかと思うのだが、今や完全に死語になっていると思う。
1950年代から1970年代初頭にかけては、この火炎瓶が日本でも飛び交っていたのだが、今やその戦士達も老境に入っているはずである。
もちろん、火炎瓶のことである。
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