ブラジル・サンパウロの「秋祭り」
ブラジル・サンパウロの秋は、3月21日頃から、6月21日頃までとなっている。
それほど、季節の差がはっきりしていないのだが、
とにかくそうなっている。
秋と言えば、「収穫の秋」ということで、
その年の収穫に神様に感謝して行われるのが「秋祭り」というのが、
日本の常識。
祭りは、神道の神社絡みというのが、日本の習俗である。
もっとも、こういった宗教的な祭事としての祭りがどこかへ行って、
商業的なそして観光的な色彩ばかりになってしまっている祭りが多いし、
はじめから、宗教的な感謝もないのに「まつり」を名乗る「歳事」があるのもいかがなものかと思う。
そういうことはさておき、
ブラジルでも秋祭りがあったので、行ってきた。
もう、4月のことだが。
サンパウロ市の東50キロほどのところにある、
モジ・ダス・クルーゼスという、
都市近郊農業に従事する日系人が多い中都市である。
市内中心部にも、日系人経営の店は多いし、郊外に行くと日系人の名前が付いた道だらけである。
日系人の存在がとても大きな都市である。
そのモジ・ダス・クルーゼス市にある「文化協会のスポーツセンター」なるところが会場であった。
地図もあったが、想像以上に市内中心部からは遠かった。
日系人組織が、こういった中都市ではしっかりしているので、
ステージで演じる出し物もいっぱいである。
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この催しのための臨時駐車場は、野球場だった。
4面もあった。
ブラジルでは、野球は日系人のスポーツなのである。
ソフトボールもそうだ。
鯉のぼりもはためいていた。
鯉のぼりは「秋」ではないなんてことはどうでもいい。
農産物の展示が行われている。
いかにも、収穫祭らしい。
ランを中心とした花卉の展示。
これも日系人が経営している農場が中心だ。
果物。
モジ・ダス・クルーゼス市だし、時期的なものもあって柿が多かった。
そして、お釈迦様の像。
お釈迦様の誕生日が確かに近かったのだが。
意味が分かっているのかいないのか、非日系人のおばさんも水をかけている。
好奇心だろう。
会場の真ん中にも、鳥居。
鳥居は単に神域への入り口であって、
その先には神社がなくてはならないのだが。
ここには神社はない。
この会場は、かなり郊外にある。
それだけにとても広い。
「秋祭り」をよそに、何か芝生でプレイしていた。
ゴルフのようだが、
ゲートボールのようでもある。
北海道で始まったマレット・ゴルフなるものかもしれない。
「富山の里」なるものもあった。
入植者には富山県人が多かったのだろう。
灯籠流しも、
これは、「秋祭り」ではなく、「お盆」ではないかと思ったが、
それはそれでいいことにした。
テントには、お店が並ぶ。
農業地帯ので、なかなか街に出られない人に、いろんなものが並んでいる。
それに、農業資機材の業者も出展している。
トラクターなんかも並んでいる。
日系人は農業経営者として、成功した人も多いので、
割と富裕な方もいる。
自動車のディーラーも、出展していた。
「日本社会Japan Society」というブランドで展開している店。
日本人から見ると、浅草の土産物屋で見かけるような外人向けのデザインのTシャツのような物を売っている。
サンパウロでは、高級なショッピングセンターにもあるのだが、こういったテントで販売していると、まるでバッタものにも見えてしまう。
屋台。
たこ焼きもあった。
素人がやっているので、大学祭の模擬店よりちょっとまし程度。
会場の一角に、子供のホッケーコートが設置されていた。
なんで、ホッケーなのか。
よさこい・ソーランを演じる一団。
こんな得体の知れないものも、ブラジルに伝わっている。
何故か、ステージには登らなかった。
はっきり言って、かなりひどいものだった。
来年に期待である。
「20070414Akimaturi-Yosakoi.MOV」をダウンロード
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この会場がある通りは、Avenida Japao日本大通り。
日本移民と日系人の成果が、形になったところである。
こういった日系人の催し物が、
日系人の多いサンパウロ州やパラナ州の都市で、
規模の大小はあっても、よく開催されている。
年々規模が大きくなっているようだ。
でも、日系人以外の人たちのこういった催し物はあまりない。
知らないだけかもしれない。
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