ブラジル・サンパウロのグラフィッチ(壁絵) その144 Os gêmeos 1。
ブラジル・サンパウロの中心部に多いグラフィッチ(壁絵)。
ブラジルでは、あの壁絵の類をグラフィッチGrafittiと呼ぶ。
サンパウロ市が、きれい好きな市長のせいで、
市の管轄にある施設や道路にあるグラフィッチを消しているのである。
消える前に、消される前に少しでも早く写真にとっておこうという焦りもある。
サンパウロ市の全域に、こういったグラフィッチはあるのだが、程度の良いものは歴史的中心部のセントロを中心としたところに多い。
サンパウロの数あるグラフィッチの中でも、
もっとも絵画的に鮮やかで、
かつ、
その地域にマッチしている作品を
描き続けている作家は、
何と言っても、
有名なパンドルフォ兄弟である。
今までにも、何作品化紹介してきたが、これから当分の間、彼らの作品だけを紹介していく。
二人は、双子のなので、
Os gêmeos(=双子の意味)と名乗り、
作品のそばに署名を残している。
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このOs gêmeosについては、
雑誌Pen誌で、
すでに2005年にとり上げられている。
今後ここに取り上げられた作品も紹介することがある。
雑誌掲載から2年以上が過ぎて、
どのような状態になっているのか、楽しみにしてほしい。
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バンドフォ兄弟は、多作である。
今も、描き続けている。
なかった所に、新作を発見することも多い。
ただし、消されてしまったものもある。
彼らの多くの作品は、
かなり治安的に問題があるところにある。
サンパウロ市の中心部周辺のカンブシ、リベルダーヂ、ベラ・ヴィスタのそれも低地地区にほぼ集中している。
カンブシは彼らの出身地区で、各ブロックごとに、作品があるといえるくらいだった。
撮影には、かなり手間暇がかかったところもある。
作品を発見しても、その時は撮影不可能と判断して、
最適な撮影場所やタイミングを求めて、何度も通ったところもある。
描いた彼らはもっと大変だっただろうか。
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サンパウロ市の歴史的中心部の西側を通る通称ミニョコン(=大きなミミズの意味)を車で通過していた。
高架道路で、信号がなく、ちょうど首都高速のような感じである。
いつもは、周辺を見ることもできず、ただ運転していくだけなのだが、渋滞していた。
渋滞はいやなのだが、止まっている間に、周辺を見まわして、普段は見落としている何かを探すことができる。
路側壁の間から見えた。
その角度からでしか見えない。
とりあえず、車内から写真を撮っておいた。
車を降りてまでして、撮ることはできなかった。
このグラフィッチは、今は営業をしていないガソリンスタンドの大屋根の向こうの隣接した建物の壁に描かれていた。
地上からの撮影が可能かどうか、現地に行ってみた。
この場所自体は、拙宅からはさほど遠くない。
歩いて行っても、25分くらいで、時々セントロに行く時などに通るところであるが、よもやあのようなところにグラフィッチがあるとは思ってもみなかった。
地上からみると、そのガソリンスタンドの大屋根が邪魔になって全体を見ることができない。
離れると、より多くの部分を見ることができるのだが、その分小さくなる。
あっちの角に行ってみたり、こっちの角に行ってみたりしてみたのだが、地上からグラフィッチを完全にみることができるところはなかった。
いろいろと撮影ポイントを求めて歩いていると、交差点から20メートルほど離れたところにある小さなホテルからお姉さんが出てきて、腰を振って誘ってきた。
ご商売の合間だったようだ。
この付近はヴィラ・ブアルクェ地区と言って、そのセントロよりの東半分は、その昔ボサノバがサンパウロに移ってきた1960年代中後期にはその中心となった地域である。
1980年代には、このすぐ近くのベント・フレイタス街は、C級ボアッチが10数軒立ち並び、夜毎道路は大混雑していた。 とても面白いところだった。
それらのボアッチは、どういうわけかこの10年くらいで激減している。
でも、いまでもこの付近にはネストール・ペスターナ街のA級ボアッチのお姉さん方が多くすんでいるのも事実である。
結局、地上からの完全撮影は断念した。
この高架道路ミニョコンは、夜21時30分から朝6時までは沿線住民のために閉鎖される。
でも、夜では撮影もできない。
だが、夜間だけではなく、日曜日は歩行者天国になるのである。
その時を狙って、このミニョコンを歩き、撮影をすることにした。
高架道路なので、歩いてはいることができるのは、車の進入路と出口だけなのだが、このミニョコンが通っているところは、あまりよいところではない。
まして、写真など悠長に撮影するようなことろではなかったのだが、ほかに撮影ポイントがなければ仕方がない。
ミニョコンとマジョール・セリトリオ通りとの交差点にまだある。
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