ブラジル・サンパウロのグラフィッチ(壁絵) その236 Os gêmeos 94。
ブラジル・サンパウロの中心部に多いグラフィッチ(壁絵)。
ブラジルでは、あの壁絵の類をグラフィッチGrafittiと呼ぶ。
サンパウロの数あるグラフィッチの中でも、もっとも絵画的に鮮やかで、
かつ、その地域にマッチしている作品を描き続けている作家は、何と言っても、
有名なパンドルフォ兄弟である。
二人は、双子のなので、
Os gêmeos(=双子の意味)と名乗り、作品のそばに署名を残している。
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このOs gêmeosについては、
雑誌Pen誌で、
すでに2005年にとり上げられている。
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バンドフォ兄弟は、多作である。
今も、描き続けている。
なかった所に、新作を発見することも多い。
ただし、消されてしまったものもある。
彼らの多くの作品は、
かなり治安的に問題があるところにある。
サンパウロ市の中心部周辺のカンブシCambuci、リベルダーヂLiberdade、ベラ・ヴィスタVela Bistaのそれも低地地区にほぼ集中している。
カンブシは彼らの出身地区で、各ブロックごとに、作品があるといえるくらいだった。
撮影には、かなり手間暇がかかったところもある。
作品を発見しても、その時は撮影不可能と判断して、
最適な撮影場所やタイミングを求めて、何度も通ったところもある。
描いた彼らはもっと大変だっただろうか。
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サンパウロ市の東部Braz地区は、
市内最大の衣料品卸地区である。
数百軒ではきかないであろうものすごい数の店舗が、このあたりの地区を埋め尽くしている。
朝から、夕方まで、人や車があふれていて、身動きがとれなくなる。
さらに、深夜だけ開いている衣料品市もあって、これも価格が激安なので、大混雑する。
サンパウロ州どころから、全国からバイヤーがやってくるところだ。
そのBraz地区でも、もっとも賑やかなのが、オリエンチ通りRua Orienteである。
このオリエンチ通りと、モンセニョール・アンドラーヂ通りRua Monsenhor Andradeが交差するところに、パンドルフォ兄弟の作品があった。
発見したときは、とんでもない雑踏の時だったのだが、
とても撮影できるような雰囲気でもなかったので、
この地区が一番すいていると思われる日を待った。
作品の前の歩道にも、
行商人が列を連ねているし、
次々と人が歩いていくので、
作品を見通すことができないからである。
そういった雑踏が、
昼間に消え去る時は1年でもそう多くない。
これは、パンドルフォ兄がプロドゥソンと呼ぶ大作の壁画である。
州立の学校の壁に描かれているので、これは公認の作品のはずである。
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