ブラジル・サンパウロの公園 その104 Parque Estadual da Serra do Mar 8。
ブラジル・サンパウロ市域内にある公園を紹介している。
昨年、紹介できなかった「サンパウロ市域から海を見ることができる唯一の地点」について、ついにとりあげることにする。
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その地点がある公園は、州営の公園の中でももっとも面積が広いセッハ・ド・マール(=海岸山脈)州立公園Parque Estadual da Serra do Marにある。
広大なこの公園域で、センターとして公開されている部分のうち、サンパウロ市域内にある「クルクツ・センターNúcleo Curucutu」に、その展望台がある。
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2007年に、クルクツ・センターに行き着いたときには、
すでに乾期である冬の終わりに近づいていて、
結局「海」を見ることができなかった。
サンパウロ市域から、唯一海を見ることができる地点がここの展望台なのだ。
2008年の冬に捲土重来を期すことにして、
そのときが来るのを待っていた。
このクルクツ・センターまでは、
サンパウロ市の中心部からは約60キロある。
そして、最後の10数キロは、非舗装の道路である。
雨が降るとぬかるんで、スリップするし、タイヤをとられる。
この道が乾いていても、片道1時間弱かかるのである。
さらに、元々クルクツセンターがあるのは、
海岸山脈の尾根である。
海岸からのしめった風が、山稜から上昇するにつれて、
霧や雲を発生させ、雨もふらえる。
このあたり標高900メートルで、午後になるとよく霧がかかっているのである。
この霧や雲が発生しにくいのは、冬の午後の早い時間までである。
そして、たとえ霧や雲が発生しなくても、
湿度が高いと、遠くが霞んでしまう。
展望台から、「海」までは10キロほどある。
霞んでいては、海岸線すらはっきりしない。
ほぼ一ヶ月間雨がほとんど降ることがない7月末にその機会が来た。
サンパウロ市から、一気にクルクツ・センターを目指した。
道は昨年確認していて、田舎のことなので、その道が変わることもない。
2時間ちょっとで、
クルクツ・センターに到着した。
快晴であった。
天候が急変しないうちに、早速、展望台を目指した。
警備員がずっと付き添った。
約30分ほど歩くと、展望台がある。
警備員が海の方向を教えてくれた。
※クリックすると拡大する。
サンパウロ市域で見ることができる唯一の海である。
このあたりから、海に降りるには、重装備で約8時間かかるそうだ。
クルクツ・センターで過ごしたのは、わずか1時間だったが、
やり残していたことを達成した満足感でいっぱいになった。
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本当に、「海」を見るなら、こんなところまで、こんなにしてくるよりは、
まともな道で一気に山を下れば、1時間半ほどで、
海岸に出られる。
この展望台からの景色が、
「サンパウロの7大美景」の一つでもあり、
これで、7大美景すべてを紹介し終わったことになる。
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それなりの覚悟のない人は、このクルクツ・センターに行かないこと。
ここは、秘境である。
雨が連日降る夏期は絶対に避けられたい。
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