ブラジル・サンパウロのグラフィッチ(壁絵) その250 Os gêmeos 108。
ブラジル・サンパウロの中心部に多いグラフィッチ(壁絵)。
ブラジルでは、あの壁絵の類をグラフィッチGrafittiと呼ぶ。
サンパウロの数あるグラフィッチの中でも、もっとも絵画的に鮮やかで、
かつ、その地域にマッチしている作品を描き続けている作家は、何と言っても、
有名なパンドルフォ兄弟である。
二人は、双子のなので、
Os gêmeos(=双子の意味)と名乗り、作品のそばに署名を残している。
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このOs gêmeosについては、
雑誌Pen誌で、
すでに2005年にとり上げられている。
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バンドフォ兄弟は、多作である。
今も、描き続けている。
なかった所に、新作を発見することも多い。
ただし、消されてしまったものもある。
彼らの多くの作品は、
かなり治安的に問題があるところにある。
サンパウロ市の中心部周辺のカンブシCambuci、リベルダーヂLiberdade、ベラ・ヴィスタVela Bistaのそれも低地地区にほぼ集中している。
カンブシは彼らの出身地区で、各ブロックごとに、作品があるといえるくらいだった。
撮影には、かなり手間暇がかかったところもある。
作品を発見しても、その時は撮影不可能と判断して、
最適な撮影場所やタイミングを求めて、何度も通ったところもある。
描いた彼らはもっと大変だっただろうか。
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2008年を通して、パンドルフォ兄弟の作品のみならず、
サンパウロ市内で次々とグラフィッチが、
サンパウロ市当局によって、塗りつぶされていった。
過去に紹介してきたグラフィッチのかなりの作品はもうなくなっている。
だが、12月下旬あたりから、
どうも「グラフィッチ狩り」の手が緩んでいるように思えていたのだが、
再び活動を活発化させているようだ。
最近紹介したばかりのグラフィッチがもう消されているのを発見して、愕然とした。
それでも、
パンドルフォ兄弟の新作を発見しているので、
紹介していきたい。
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サンパウロ市の歴史的中心部セントロの中で、
もっとも雰囲気が悪いのが、
ルース駅の南側だ。
地下鉄の工事が始まり、
サンパウロ市が浄化に力を入れた結果、
3-4年前に比べると、
格段に環境がよくなった。
クラコランヂアと呼ばれた麻薬地帯だったのだが、
それも、ちょっと移動して、
そういう人たちも、
このあたりでは露骨には見かけなくなった。
何よりも、
平日の昼間に、
何とか歩くことができるようになった。
ルース駅から、
南に延びるガスペル・リベロ大通りに、
以前に紹介した作品が一つあった。
それが、まだあるかどうか確認に行ったら、
また新たなパンドルフォ兄弟のグラフィッチ作品を見つけた。
ルース駅から,約150メートルほどの,閉鎖されたビルの、
入り口を閉鎖するために積み上げられたブロックに描かれている。
将来の地下鉄ルース駅のすぐ隣になる。
以前に紹介した作品も、
同じビルで、
同様にブロックに描かれていたのだが、
健在であった。
このあたりは、実は好きなところであるが、
さすがに日没後はとても歩けない。
車でも、22時以降は,できるだけ近づかない。
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