ブラジル・サンパウロのグラフィッチ(壁絵) その255 Os gêmeos 113。
ブラジル・サンパウロの中心部に多いグラフィッチ(壁絵)。
ブラジルでは、あの壁絵の類をグラフィッチGrafittiと呼ぶ。
サンパウロの数あるグラフィッチの中でも、もっとも絵画的に鮮やかで、
かつ、その地域にマッチしている作品を描き続けている作家は、何と言っても、
有名なパンドルフォ兄弟である。
二人は、双子のなので、
Os gêmeos(=双子の意味)と名乗り、作品のそばに署名を残している。
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このOs gêmeosについては、
雑誌Pen誌で、
すでに2005年にとり上げられている。
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バンドフォ兄弟は、多作である。
国際的に有名になった今でも、描き続けている。
彼らの多くの作品は、かなり治安的に問題があるところにある。
サンパウロ市の中心部周辺のカンブシCambuci、リベルダーヂLiberdade、ベラ・ヴィスタVela Bistaのそれも低地地区にほぼ集中している。
カンブシは彼らの出身地区で、各ブロックごとに、作品があるといえるくらいだった。
作品の撮影には、かなり手間暇がかかったところもある。
作品を発見しても、その時は周囲の治安の問題などで、撮影不可能と判断して、
最適な撮影場所やタイミングを求めて、何度も通ったところもある。
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2008年を通して、パンドルフォ兄弟の作品のみならず、
サンパウロ市内で次々とグラフィッチが、
サンパウロ市当局によって、塗りつぶされていった。
過去に紹介してきたグラフィッチのかなりの作品はもうなくなっている。
2008年の12月下旬あたりから、
「グラフィッチ狩り」の手が緩んでいるように思えていたのだが、
再び活動を活発化させているようだ。
一方、2009年に入って、
パンドルフォ兄弟の創作活動が非常に活発になっていて、
新作が次々と描かれているようだ。
新作および旧作の探索も、ひところよりやや精力的に行うようにしている。
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サンパウロ市の歴史的中心部セントロの南西側に隣接したベラ・ヴィスタ地区は、
パンドルフォ兄弟の作風にぴったりの地区である。
事実、ここでも、
彼らのグラフィッチを数多く発見してきた。
ラヂアル・レスチ・オエスチ高架道路に接した、クァトーゼ・ヂ・ジューリョ通りに、新作を発見した。
以前、ここには、彼らの作品2点があったのだが、
早くに消えていた。
壁から抜け出ようと,苦しんでいるようなものは、ここで初めてみたモチーフである。
だが、同様のモチーフの作品を、別のところでも発見したので、
近々紹介することにしたい。
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