ブラジル・サンパウロのグラフィッチ(壁絵) その257 Os gêmeos 115。
ブラジル・サンパウロの中心部に多いグラフィッチ(壁絵)。
ブラジルでは、あの壁絵の類をグラフィッチGrafittiと呼ぶ。
サンパウロの数あるグラフィッチの中でも、もっとも絵画的に鮮やかで、
かつ、その地域にマッチしている作品を描き続けている作家は、何と言っても、
有名なパンドルフォ兄弟である。
二人は、双子のなので、
Os gêmeos(=双子の意味)と名乗り、作品のそばに署名を残している。
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このOs gêmeosについては、
雑誌Pen誌で、
すでに2005年にとり上げられている。
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バンドフォ兄弟は、多作である。
国際的に有名になった今でも、描き続けている。
彼らの多くの作品は、かなり治安的に問題があるところにある。
サンパウロ市の中心部周辺のカンブシCambuci、リベルダーヂLiberdade、ベラ・ヴィスタVela Bistaのそれも低地地区にほぼ集中している。
カンブシは彼らの出身地区で、各ブロックごとに、作品があるといえるくらいだった。
作品の撮影には、かなり手間暇がかかったところもある。
作品を発見しても、その時は周囲の治安の問題などで、撮影不可能と判断して、
最適な撮影場所やタイミングを求めて、何度も通ったところもある。
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2008年を通して、パンドルフォ兄弟の作品のみならず、
サンパウロ市内で次々とグラフィッチが、
サンパウロ市当局によって、塗りつぶされていった。
過去に紹介してきたグラフィッチのかなりの作品はもうなくなっている。
2008年の12月下旬あたりから、
「グラフィッチ狩り」の手が緩んでいるように思えていたのだが、
再び活動を活発化させているようだ。
一方、2009年に入って、
パンドルフォ兄弟の創作活動が非常に活発になっていて、
新作が次々と描かれているようだ。
新作および旧作の探索も、ひところよりやや精力的に行うようにしている。
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サンパウロ市の南東部イピランガ地区から南に延びるリカルド・ジャフェ大通りは、
サウヂ地区に入ると
プロフェッソール・アブラアオン・ヂ・モライス大通りと名前を変える。
そのままさらに進むと、サントスに向かうイミグランテス街道となる。
このリカルド・ジャフェ大通りとプロフェッソール・アブラアオン・ヂ・モライス大通りのすべての区間は、ブラジル国歌に歌われているイピランガ川を挟んでいる。
先日、雨が続いたことで、
プロフェッソール・アブラアオン・ヂ・モライス大通り沿いのイピランガ川の護岸壁が膨らみ,一部が崩壊した。
現在、改修工事が進められている。
この工事箇所付近で、プロフェッソール・アブラアオン・ヂ・モライス大通りに沿っている小さな道で、
トリスタン・マリアーノ通りがある。
このトリスタン・マリアーノ通りにある自動車の修理屋の隣の空き倉庫の壁に、
パンドルフォ兄弟によるグラフィッチがあるのを発見した。
コロニアル・パレスという高級モーテルから北に約150メートルの地点である。
Comments
sem borrachaとは、かっこいいこと言いますね。彼らの作品は消されることも多いから、これは皮肉かな?
Posted by: viny | quinta-feira, 26 de fevereiro de 2009 03:19
>viny様
パンドルフォ兄弟のグラフィッチには,往々にして、メッセージがついていることがあり、それは必ず写真に撮って,その部分も掲載するように努めています。
ただ、今まで、そのメッセージについて,解説をしたことがほとんどありません。
深い意味があるようで、よく理解できないことがあるからです。
この作品のメッセージも、そうなのですが、隣に車の修理屋が3件ほどあり、パンク修理もしているのです。
Borrachaが消しゴムなのかどうかと、思っています。
作品が描かれたのが、この1年つづいている「撲滅運動」の前ではないかという気もするからです。
もっとも、「撲滅運動」がなくても、作品の寿命は短いようですが。
今後も、メッセージもつけていきますので、またコメントをください。
ちょうど、非常に長いコメントがついた作品を発見したのですが、どう解釈したらよいのかと悩んでいるものがあります。
Posted by: Sao_Paulo | segunda-feira, 2 de março de 2009 01:42