ブラジルは、ポピュラー・ミュージックに満ちている。
そう思う。
もちろん、若者はロックやヒップホップのような、世界共通の音楽が大好きだ。
でもそういった音楽でさえ、やはりブラジルっぽいのである。
サンパウロのように、海が無く、夜冷え込む都市にはあまり向かないとおもうが、
アシェーとかフォフォとかいうブラジル東北部で大人気のジャンルもある。
サンパウロ州だけではないだろうが、内陸部ではセルタネージョにトドメを刺す。
ブラジルのカントリーミュージックである。
内陸部の小都市のバールや別荘に行って、この種の音楽が聞こえてくると、
何故かとても和むのである。
サンパウロは、大都市なのであらゆる音楽を聴こうと思えば聴くことが出来る。
それぞれの年代や階層や出身地によって、好きな音楽は異なる。
MPBはあちこちのライブ・ハウスで、今の音楽としても聴くことが出来るが、
ボサノバはもう観光客向けといっても良いだろう。
専門の店を探すのが難しい。
そのボサノバが、1960年代の初期に短いピークを迎える頃、
サンパウロはもっともっと小さな街だった。
そして、セントロだけが、大人の夜を過ごすことが出来る場所を提供していた。
そのころは、まだとても安全で、夜歩くことが出来たそうだ。
そして、それよりも前のこと、都市が都市住民だけのもので、
地方からの大規模な人口の流入が起きる前に流行っていた音楽がある。
静かな、そして切なく、ロマンチックでもある音楽である。
その中に”Ronda”という名曲がある。
ずっと年上の人たちが、よく気持ちを込めて、歌うことがある曲だ。
だけど、今はラジオなどではまず聴くことは出来ないし、CDも入手は難しいかも知れない。
サンパウロのセントロのサン・ジョアン大通りを舞台にしている曲である。
今のサン・ジョアン大通りでは想像もつかないのだが、
深夜に細かい霧雨が降るサンパウロの中心部が、淡い光の街灯に照らされている。
そこを彷徨する男の様子を歌っている。
歌詞は、曲のイメージとはかなり違う。
別れた女性を捜している。
そして、自堕落な生活に陥ってしまい。
酔っぱらい、喧嘩をする。
そして、悲しい結末になる。
久しぶりに、この曲を聴くこと出来た。
「20061104Sarau-Ronda.wmv」をダウンロード
現在のサン・ジョアン大通りでは、とてもこのような雰囲気に浸ることはできない。
街灯と建物は残っているのだが。
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